2008年3月7日金曜日

世界長者の運用益は途上国の国民総所得より上?

日本経済新聞(2008年3月6日夕刊)に2008年の世界長者番付の記事が出ていました。今年は、ビル・ゲイツ氏ではなく、投資家のウォーレン・バフェット氏が一番になったそうです。

バフェット氏の資産は620億ドル(米フォーブス誌調べ)だそうです。投資家だから運用はお手の物でしょうから、10%で運用できたとすれば、この資産で追加的に年間62億ドルの富を生み出せることになります。

この62億ドルがどのくらいかといえば、カンボジアの2004年の国民総所得(GNI)が48億ドル(世界銀行のデータ)ですから、それよりも大きいです。ちなみにモンゴルのGNIは15億ドルです。

10%の運用は多分、そんなに無理な話ではないでしょうから、一国全体の付加価値生産量よりもずっと大きな価値を一人の人間が生み出せるということですね。資本主義のすごさを実感しますね。

2008年3月3日月曜日

アイルランドに学ぶもの

日本経済新聞(2008年3月1日付朝刊)の「世界を語る」という特集で、前アイルランド大統領メアリー・ロビンソン氏(女性)との対談が掲載されていました。アイルランドは1980年代まで欧州で最も貧しい国の一つでしたが、2006年の一人当たりGDP(出所OECD)では、日本が3万4千ドルなのに対し、アイルランドは5万1千ドルと大幅に上回っています。

この秘密をロビンソン前大統領に訊く、というのが記事の主旨で、前大統領が指摘した点はいくつかありますが、私が要約すると①官僚制度の改革、②インフラの整備、③教育の充実、の3点が重要だといっているようです。

アイルランドは、この3つのほかにも④積極的な外資の誘致や⑤大量の外国人受け入れ、も行っています。

アイルランドは英国によって植民地にされた経験もあり、多くの途上国にとって参考となる経験を持っています。アイルランドが援助の出し手として、自らの経験をどのように活かしているのか大変興味深いです。