2008年5月15日木曜日

ソロー・モデルを勉強する意味②

GWで随分と間が空いてしまいましたが、5月13日にソロー・モデルの続きを紹介しました。皆さん、理解できたでしょうか?(そうだとよいのですが…)

ソロー・モデルは途中の展開で、随分と数式が出てきますが、最終的には単純な式とグラフで、驚くほど重要なインプリケーションをいくつも導くことができます。

そのなかでも、持続的な経済成長には技術革新が必要だ、というインプリケーションはすごく重いものですよね。日本も将来経済成長を続けていくためには、皆さんがそれぞれ働く分野で絶え間ない技術革新をしていかなければならないのです。技術革新は頭を使わなければならないので、皆さん、今からその準備をしておきましょう。

また、ソロー・モデルを面白いと思った人で、将来大学院で経済学を勉強したいと思う人がいたら、大学院での数学の応用は半端ではないので、心して今から勉強しておきましょう。

要するに、大学生諸君は頭を働かす訓練をしてかなければならない、ということですね。頑張りましょう。

2008年5月11日日曜日

NHK BS世界のドキュメンタリー<シリーズ アフリカ>について

皆さん、GWも終わり再び勉学の日々を送られていることと思います。さて、現在NHKの「BS世界のドキュメンタリー」で、<シリーズ アフリカ>をやっています。ご存知でしょうか?

5月5日から8日までは「アフリカ支援は甘くない(The Millionaires' Mission)」(2007年イギリスChannel4制作)という大変興味深い番組を放送していました。その内容は、ビジネスで成功したイギリスの人々が、ウガンダの田舎の村興しや公共サービスの改善を行うというものです。いくつかのプロジェクトは成功し、いくつかのプロジェクトは失敗しました。

この番組は援助の難しさを、具体例を持って我々に教えてくれています。いくら我々がよかれと思うプロジェクトでも、現地の人々がそのプロジェクトを自分たちのものとして実行しなければ、そのプロジェクトは成功しません。また、途上国の政府と関連したプロジェクトは、政府に資金がなかったり、政府の効率性が悪かったりして、予定した結果をもたらさないことが多いのです。

開発経済学の対象は途上国の経済です。日本のような先進国にいると、なかなか途上国のことはわかりません。この意味で、優れたドキュメンタリー番組を見ることは、開発経済学を勉強する際にとても役に立ちます。<シリーズ アフリカ>は5月16日まで続くようですから、是非ご覧になるとよいでしょう。

NHKのドキュメンタリー番組は、テーマの選択や内容で非常にクオリティが高いと思いますが、深夜にする番組が多いのは疑問です。優れたドキュメンタリー番組ほど若い人に見てもらいたいと思いますが、深夜ではなかなか彼らの視聴の対象にはならないのではないでしょうか?是非、NHKに再考してもらいたいものです。民放が放送できる番組は民放に任せるべきではないでしょうか?それでこそ公共放送ですよね。