2011年10月3日月曜日

『延安の娘』by池谷薫

池谷薫(2002)、『延安の娘』、NHK/蓮ユニバース

文化大革命の時代、下放(かほう)された若者に捨てられた娘の親探しの旅のドキュメンタリー映画。中国の都市と田舎の生活の格差、嫁舅を含んだ家族の関係、 毛沢東時代の悲惨さを知ることのできる映画です。

文革、下放といった本でしか知らなかった事柄が、実際に経験した人たちの口から語られていくことで、具体的に想像できます。政治家によって、国民の一生がいかに翻弄されるか、3・11のあとの日本人として、よくわかります。

黄玉嶺(ホアン・ユーリン)というおじさんの一生、これまでの人生を経てきての優しさ、が印象に残ります。武蔵大の図書館にあります。是非、ご覧ください。

http://www.en-an.com/index.html

2011年9月23日金曜日

『HIBAKUSHA 世界の終りに』by 鎌仲ひとみ

鎌仲ひとみ(2003)、『HIBAKUSHA 世界の終りに』、グループ現代制作

『ミツバチの羽音と地球の回転』を観て、鎌仲ひとみさんの作品が気になって、『HIBAKUSHA』を観ました。こっちは、すごく憂鬱になる作品です。ただし、やっぱり知らなきゃいけないことだと思います。

イラク、米国、日本の被爆者が取り上げられていますが、イラクはまだフセイン統治下の話なので、今はもっとひどいことになっているでしょう。

3・11の前ですが、日本もチェルノブイリの影響で東北・北海道を中心に乳がんの患者が増えている可能性が示されています。

武蔵の図書館にも入っています。是非、観てください。

2011年9月21日水曜日

『テロリストは誰?第三世界に対する戦争:僕がアメリカの外交政策について学んだこと』

『テロリストは誰?第三世界に対する戦争:僕がアメリカの外交政策について学んだこと』
ビデオ編集:フランク・ドリル

このDVDは既存の10本のドキュメンタリーを編集して2時間にしたもので、 DVDのカバーに「第二次世界大戦以降のCIAによる秘密工作と米軍の軍事介入 学校では教えず主要メディアで取り上げられないこと」と書いてありますが、私も知らないことがいくつもありました。

1954年のグアテマラのクーデター、1964年ブラジルのクーデター、1966年ガーナのクーデターの背景などです。また、スハルトが東チモールに対して行ってきたこと。

援助政策は外交政策の一環ともいえるわけで、途上国の経済発展(あるいは後退)がいかに先進国の政策の影響を受けてきたか、考えさせるDVDだと思います。

是非、武蔵の学生さんにも見てもらいたいと思います。図書館にあります。

2011年9月20日火曜日

石井光太著、『ルポ 餓死現場で生きる』

石井光太(2011)、『ルポ 餓死現場で生きる』、ちくま新書、を読みました。

石井さんのことは、今は亡き 『月刊プレイボーイ』でのレポートを読んで、その写真と文章に衝撃を受けてから、できるだけ読むようにしています。

僕なんか、とてもスラムで生活できないので、スラムの現状を石井さんの本を通じて勉強しています。当然、一人の人の眼を通じてだけだと、バイアスがかかるので、他にも英字メディア(日本のメディアには途上国のスラムの話は殆ど出てこないので)を読むようにしていますが。

一つ気になったのが、「貧しいとHIVが広がる」というところで、「貧しいと栄養不良で、感染率が高まる」という内容と「貧しいアフリカの国」という表(p.243)が出ていますが、その表の上から2番目のボツワナ(感染率23.9%)は貧しい国ではありません。

ボツワナはモーリシャスと並び「アフリカの奇跡」と呼ばれている国で、私も行ったことがありますが、地方はわかりませんが、首都はカリフォルニアのようでした。ダイヤモンド生産からの収入を国庫に入れるため、確か教育費と医療費はタダだったと記憶しています。

このようなボツワナでなぜHIV感染率が高いのは研究課題ですね。

2011年5月20日金曜日

 以前ご紹介した本の英語版が出版されました。ご参考まで。