2008年4月4日金曜日

ODAは金額が問題なのか?

本日(2008年4月4日)の日経朝刊に「ODA3割削減、5位転落」という記事が出ていました。OECDがまとめた数値(暫定ですが)によれば、日本の2007年の政府開発援助(ODA)実績が、先進国中5位に転落したとのことです。日本は1990年から2000年までODA実績世界1位であったことを考えると、ずいぶんと後退したわけです。

もっと深刻なのは、「貢献度指数」というODAの支出純額を国民総所得(GNI)で割った指標が0.17%となり、ギリシアより低い20位となっていることです。国連では2015年までに、この指標を0.7%とする目標を掲げています。先進国は、この目標を達成しようと努力しています。日本だけが、国内の財政赤字を理由に、この先進国グループの行動から別行動をとっているわけです。

日本も先進国の一員として、0.7%の目標は達成しなければいけないでしょう(そうでなければ、G8サミットやTICADで誰も日本の話を聞いてくれないと思います)。

しかし、それと同時に(それよりも)重要なのは、出している金額だけでなく、ODAの効果を正しく評価することだと思います。いま、経済学の研究分野では援助の効果について、否定的な結論をだす論文がいくつも公表されています。

個人的には、全ての援助が無効であったとは思いません。良い援助と悪い援助があったのだとおもいます。各国政府および研究者は、どのような援助が失敗する確率が高く、どのような援助は成功する確率が高いか、科学的に研究し報告する義務があると思います。私も微力ながら、努力するつもりです。

ODAは皆さんの税金から支払われています。是非、皆さんも考えてみてください。

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